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イベントリザルト

2017 CR-Z 10リッターチャレンジ

2017 AUTOBACS SUPER GT Rd.8 MOTEGI
CR-Z 10リッターチャレンジ 11.11 鈴鹿リポート

2017 Honda Sports & Eco Program
CR-Z 10リッターチャレンジ 11.11 もてぎ レポート

 2017 Honda Sports & Eco Program CR-Z 10リッターチャレンジ11.11もてぎが、11月11日(土)にツインリンクもてぎで2017 AUTOBACS SUPER GT Round8 MOTEGI GT GRAND FINALのサポートレースとして開催された。Honda Sports & Eco Programは、来シーズンより使用車両がHonda CR-ZからHonda FIT RSに変わるため、今回がHonda CR-Zでの最後のレースとなった。

 このレースには今回がデビューレースのドライバー6名を含む16台がエントリー。

 金曜日には翌日の10リッターチャレンジに先立ち2回のCR-Z練習会が行われ、練習会のみの参加者1名を含む13名が走行した。各ドライバーは燃費計測のシミュレーションやレースに向けたマシンの最終確認を行った。参考までにベストタイムをマークしたのは2番手以降に2.5秒の差をつけ、ただ一人2分34秒台をマークした#14土橋元亮(金曜日は7号車使用)だった。


【Ecoチャレンジ】天候:晴れ 路面:ドライ

 予選前のブリーフィングが行われた後、11時15分より10リッターチャレンジのグリッドを決めるEcoチャレンジが20分間で行われた。基準タイムは2分57秒に設定。昨日より好調の#14土橋が3周目にラップタイム2分54秒920でガソリン消費量0.482リッターをマークしてトップに立つと、#11齋藤重雄が0.508リッターで2番手につける。3番手には#9武石真和、これに#12中野武、#3金子純、#13大江将司がつづく。4周目に入ると#5藤吉健一が0.484リッターをマークして2番手に浮上し、#9武石が0.504リッターを記録して3番手にポジションを上げる。そして最終ラップに#11齋藤が0.501リッターまで燃費を伸ばして3番手に浮上すると、#3金子も最終ラップに0.501リッターをマークして4番手のグリッドを獲得した。これで#14土橋は前回の鈴鹿大会に続き2戦連続のポールポジションを獲得し、好調さをアピールした。


《ポールポジション #14土橋元亮選手のコメント》

「3周目にベストフューエルを出すことができました。でも0.482リッターではポールは無理かなと思いました。9月のベーシック3での基準タイムも2分57秒だったので藤吉さんは0.4の前半ぐらいまで伸ばしてくると思っていました。去年は予選10位と失敗したので、今年は5位以内に入れればいいかなと思いました。予選後半はタイムが伸びませんでした。気温が上がった影響かもしれません。昨日より燃費が伸びませんでした。たまたま電気をたくさん使えたラップに記録を出せたので、決勝は有利だとは思いません。去年優勝している藤吉さんや金子さんなどライバルがたくさんいるので緊張しますね。最後のCR-Zレースなので楽しみたいです。ポールを取れたのはN-ONE OWNER’S CUPで走り込んだ効果が現れたのかもしれませんね」


【10リッターチャレンジ】天候:晴れ 路面:ドライ

 気温15度、陽が傾き始めた15時45分になるとフォーメーションラップが開始。レース周回数は8周、使用できるガソリン量は4.56リッターに設定。1周あたりで使用できるガソリンは平均で0.57リッターとなる。

 16台が1周の隊列走行を終えてグリッドに着くと、ファイブユニットのレッドシグナルがオールレッドからブラックアウト。CR-Z最後のレースが開始された。好スタートを切ったのは4番手スタートの#3金子。1コーナーまでに#11齋藤と#5藤吉を抜いて2番手までポジションを上げる。ポールポジションスタートの#14土橋は先頭で1コーナーへ進入するもブレーキに失敗し、車の姿勢を大きく崩してしまう。スピンこそ逃れられたものの加速が鈍り5番手まで順位を落としてしまう。2コーナーの立ち上がりで先頭に立ったのは#3金子。これに#11齋藤、#5藤吉、#9武石、#14土橋がつづく。3コーナーの進入では#5藤吉がアウトから2台をごぼう抜きしてトップに躍り出るが、#9武石がファーストアンダーブリッジの中でオーバーテイクシステムを使って#5藤吉を抜き、再び先頭が入れ替わる。オープニングラップ終了時での順位は#9武石を先頭に#5藤吉、#11齋藤、#3金子、#14土橋、#13大江がつづく。2周目に入ると#5藤吉が5コーナー手前で#9武石をパスしてトップを奪い返すと#11齋藤もS字コーナーで#9武石をパスして2番手にポジションを戻す。3周目の1コーナーで#13大江がインから#14土橋と#3金子をパスして4番手に浮上する。その後トップ争いを展開する#5藤吉と#11齋藤の2台は3番手以降との差を広げ始め、2番手の#11齋藤がV字コーナーで#5藤吉を抜いて念願のトップに躍り出る。トップの座を死守したい#11齋藤であったが5周目の2コーナー立ち上がりで#5藤吉に抜かれて2番手にポジションを落としてしまう。レース終盤になるとトップ争いは#5藤吉と#11齋藤の2台に絞られ、テール・トゥ・ノーズの争いは最終ラップまでもつれ込む。しかし、チェッカーまであと少しとなったビクトリーコーナー手前で#11齋藤が燃料を使い果たしトップ争いから脱落。ライバルを振り切った#5藤吉はトップでチェッカーを受け、もてぎ大会2連勝を飾った。2位にはハザードランプを点滅させながらチェッカーを受けた#11齋藤が入った。一方3番手争いは#17佐久間教彰、#18松田吉正、#9武石、#14土橋、#13大江、#3金子、#12中野らがめまぐるしく順位を入れ替える熾烈な争いとなったが、最後まで燃料をコントロールした#14土橋がこの争いを制し、3位でフィニッシュした。4位には#3金子、5位には#9武石が入り、今回がデビューレースとなる#18松田は見事6位を果たした。


《優勝 #5藤吉健一選手のコメント》

「去年と同じ貯蓄パターンが成功したのが勝因です。最後まで燃料に余裕をもたせる走りをして、いざというときに残した燃料を使う作戦でした。レース中は齋藤さんのプレッシャーがきつかったです。もてぎで2連覇できて嬉しいです。次の目標は3連覇です。来年は車が変わるのでEcoチャレンジに出場して車に慣れて10リッターチャレンジに挑戦します」


《2位 #11齋藤重雄選手のコメント》

「2回目の10リッターチャレンジでした。まわりにベテランの方達がいたので皆さんについて行こうと思いました。18歳からレースを始め、途中で20年以上ブランクがあり、最近またレースを再開したのですが、初めて表彰台に上がることができました。今日は楽しかったです。土橋さんとは先日N-ONE OWNER’S CUPで一緒に走ったのですが、その時に土橋さんを抜いたんですよ。今日も土橋さんについていこうと思っていたら、抜かさせていただくことができました。これからは土橋さんの後ろについて、抜くことを楽しみにしたいと思います(笑)」


《3位 #14土橋元亮選手のコメント》

「スタートはうまくいったんですが、1コーナーでハーフスピンしてしまいました。その時に中段グループに抜かれてしまい、その後は燃費を稼いで最後に望みをつなぐ作戦に切り替えました。前にいた金子さんも同じような作戦だということが分かったので様子を見ながらスパートをかけるタイミングを待っていました。その時の燃費は予定より1周につき0.2リッターぐらい余裕を持たせることができたので、最終ラップに少し早めにスパートをかけて武石さんと金子さんの前にでることができました。クリアなバトルだったと思います。チェッカーを受けた時は3位なのか4位なのか順位が分かりませんでした。ストレートに戻ってきたときに表彰台に誘導されて初めて3位だということが分かりました。最後のCR-Zのレース、しかも大舞台で表彰台に上がれて嬉しいです」


《ドライビングスタンダードダイレクター 岡田秀樹氏のコメント》

「今日がCR-Zの最後のレースで、来年からは車が変わりますが、やはり基本を忠実に守って走ることができる人が速いですね。10リッターチャレンジは、同じタイムで走るなかで燃料をセーブできる人が勝つというシステムなのですが、実はスーパーGTのレースも同じで、燃費の良いドライバーは給油時間を短くすることができます。給油時間が2、3秒速ければこれがラップタイムに反映されることになります。GTマシンは左足ブレーキなのでアクセルとブレーキが同時になるドライバーは燃費が悪くなります。GTドライバーもこういうところに気を使ってトレーニングをしています。ということでこのプログラムはGTレースに似たところもあります。10リッターチャレンジは、こつこつと燃料を貯蓄できる人と、無駄遣いする人で勝敗が分かれるので、見る方も面白いですね。基本はステアリングを切る量とスピードが適正であることが燃費に繋がります。今回は練習の時にスピンが多かったので、本番はどうなることか心配でしたが、無事に予選とレースが終わり、皆さんには感謝します。来年もまた練習から頑張ってください。今日は一日お疲れさまでした」